今週は、「コレステロール」についてです。
100歳まで長生きできるコレステロール革命、第一章の抜粋
2012/1/20
大櫛 陽一 (著)
東海大学名誉教授。
- 病院で処方される「コレステロールを低下させる薬」を飲むのは、
不必要な治療である。ほとんどの場合、 コレステロール値を薬で下げる必要はない。むしろ、 コレステロール低下薬の副作用のほうが心配である。
- 人はコレステロールなしでは生きていけない。
人間の体の細胞膜は、 コレステロールとタンパク質によってできている。 脳や神経細胞の6割はコレステロールだし、「女性ホルモン」や「 男性ホルモン」「副腎皮質ホルモン」など、 さまざまなホルモンの材料になるのもコレステロール。 消化液の胆汁や、ビタミンDもコレステロールが原料。 コレステロールはもともと体に必須の物質であり、 体に害をもたらすものではない。逆に不足すると、 いろいろな問題が起こる。
- 日本人にとっては、LDL が高いほど、
- 脳卒中、脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血による死亡率が下がる。
- 肺炎、がんの死亡率が低くなる。
- 高いコレステロール値を心配する必要がある日本人は少ない。
家族性高脂血症という遺伝病があると、 LDLコレステロールが過剰に作られ、 心筋呼応速を起こしやすい。日本人では、家族性高脂血症は男性の 500人に一人しかいない。
- コレステロール低下薬、スタチンで LDLコレステロールを下げても、
心筋梗塞で亡くなる人の率は変わらない。
- 欧米では「女性にコレステロール低下薬は不要」が常識。
米国医師会の論文で、「女性に対するコレステロール低下治療は、 たとえ心血管疾患の既往症があっても、 死亡率を改善しないので不要である」という結論が出ている。
- コレステロール低下薬、スタチンの重大な副作用、横紋筋融解症
- 筋肉が解ける症状。
- スタチンは、
肝臓に働いてコレステロールの合成機能を低下させる。 同時に脂肪から作られるケトン体というエネルギー源の合成も低下 させる。 - ケトン体は空腹時や睡眠時のエネルギー源。
肝臓でケトン体が作られなくなると、 筋肉を溶かして筋肉のタンパク質をエネルギーとして使うようにな る。最初は筋肉痛として発症し、 尿がチョコレート色になっていく。 これは筋肉が溶け出している証拠。
- さらに症状が進むと、体に力が入らなくなって、
歩行などの日常生活にも支障をきたし、 重症化すると呼吸もできなくなる。