⭕ 武漢肺炎では、特に、肺炎の悪化に気が付きにくい
- 通常の肺炎では、急性低酸素症で挿管を必要とするような患者は、
意識を失っていたり、 呼吸をするためにあらゆる筋肉を使っている。 - レントゲンやCTで肺炎が確認できても、
ほとんどが呼吸上の問題を訴えず、「サイレント低酸素症」 を引き起こしている - 当初、患者は酸素量が低下しても、息切れを感じない。
見た目には最小限の苦痛を抱えているだけで、その間に、 驚くほど酸素濃度が低下し、中等度から重度の肺炎になっていく。 - 肺炎の炎症が起こり始めると、肺胞が虚脱し、
酸素レベルが低下する。肺はこの状態に適応し、硬くなることも、 液体を貯めることもないので、 患者は二酸化炭素を排出できるから、息切れを感じない。 - 血中の酸素が低下するにつれ、無自覚に、より速く、
深く呼吸をするようになる。(サイレント低酸素症) - 炎症がいっそう進み、より多くの肺胞が虚脱する。
ついには肺炎が悪化し、酸素レベルが急激に低下する。 - 患者の2割は、肺損傷段階へと進展する。液体がたまり、
肺は硬くなる。二酸化炭素レベルが上昇し、 急性呼吸不全を発症する。
⭕ 肺炎が進んでしまってから病院に行くと大変なことになる
- 肺炎が進んでしまうと人工呼吸器につながれ、死ぬ確率が高くなる
- 人工呼吸器を装着した患者のためには、膨大な資源が必要になり、
医療崩壊の原因となる(人呼応呼吸器、鎮痛剤、静脈動脈経路、 IV薬、IVポンプ、気管内チューブ、胃と膀胱のチューブ挿入、 患者の肺機能を改善させるために仰向けとうつ伏せを繰り返す、 など)
⭕ 発熱や倦怠感などの自覚症状があったら、その日から2週間にわた り、パルスオキシメータで血中酸素飽和度をチェックすること
- サイレント低酸素症を発見するのには、
パルスオキシメータが必要である - パルスオキシメーターは、皮膚を通して動脈血酸素飽和度(
SpO2)を計測する。動脈血内の赤血球に含まれるヘモグロビン の何%に酸素が結合しているかを示す。96~99%が標準値で、 90%以下が呼吸不全である。 - 普段の値から3~4%
低下した場合は何らかの変化が起きている可能性が想定される
⭕ 倦怠感と低酸素症があったら、 熱や咳が出ていなくても病院に行くこと
⭕ 家庭には、体温計のほかに、 パルスオキシメータを常備すべきである
- パルスオキシメーターは、5千円程度で売っている